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2018年1月14日 (日曜日)

GMのハンドルのない自動走行自動車

下記の記事が出ている。

 GM wants to ditch the manual controls from its test cars in 2019
 ars technica: January 13, 2019
 https://arstechnica.com/cars/2018/01/gm-petitions-to-build-driverless-cars-without-steering-wheel-or-pedals/

人間による「運転」という概念が消滅するので,関連する法令中の「運転」と関連する条項全てについて見直しが必要になるだけではなく,保険等の全ての関連法令の見直しも必要になる。また,「運転」が存在することを前提とする従来の全ての判例が反故になる。

残るのは,製造物責任と管理責任だけだろうと思う。

私見としては,無人走行自動車を開発・製造・販売する以上,どんなことがあってもその法的責任を引き受けるという黙示の意思表示があったと認め,「そのような意思表示をしたことない」と信ずる愚か者については,合理的な対処のできない愚か者であるのに開発,製造,販売等をしたという過失を常に全面的に肯定し,そして,開発者,製造者,販売者,貸与者,管理者等の全てが,連帯して損害賠償責任を負い,原則として一切の免責を認めないという解釈が正しいと信じている。

EUの近未来の関連法制も必ずそのようなものとなる。

なにしろ,人間による「運転」が存在しない。

そのような基本的に無条件の法的責任を負うのがいやなら,自動走行自動車を開発,製造・販売しなければよろしい。

なお,同じ法理は,全ての自律型ロボットについて言うことができる。

***

大学の研究者が研究室内でロボットの開発研究をするのは自由だが,開発したロボットを研究室外に出すことは許されない。

ロボットを開発した研究者がベンチャー企業等をたちあげてそのロボットを製品化し販売した場合,「普通の事業者と同様に法的責任を負う」と解する以外の解釈論は決して成立しない。この点について異論は全くないと考える。

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