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2017年9月11日 (月曜日)

歴史は謎だ

久しぶりに「しばやんの日々」を訪問し,幾つか記事を読んだ。

 坂本龍馬の暗殺は誰がやったのか~~その1
 http://shibayan1954.blog101.fc2.com/blog-entry-26.html

 坂本龍馬の暗殺は誰がやったのか~~その2
 http://shibayan1954.blog101.fc2.com/blog-entry-27.html

 坂本龍馬の暗殺は誰がやったのか~~その3
 http://shibayan1954.blog101.fc2.com/blog-entry-28.html

 坂本龍馬の暗殺は誰がやったのか~~その4
 http://shibayan1954.blog101.fc2.com/blog-entry-29.html

 江戸開城後に静岡移住を決意した旧幕臣らを奴隷同然に運んだ米国の船
 http://shibayan1954.blog101.fc2.com/blog-entry-363.html

 薩摩藩・長州藩の討幕活動に深く関わったグラバー商会のこと
 http://shibayan1954.blog101.fc2.com/blog-entry-483.html

 龍馬の二番目の姉・栄はなぜ「龍馬伝」に出てこなかったのか
 http://shibayan1954.blog101.fc2.com/blog-entry-89.html

 貧家に生まれた岩崎彌太郎が三菱財閥を創業した経緯
 http://shibayan1954.blog101.fc2.com/blog-entry-524.html

薩長勢力を圧倒的に正義とする「ものの見方」に異を唱える見解が最近ではごく普通になったのだが,実際にそういうものを読んでみると,この「しばやんの日々」のパクリそのものというものも全くないわけではなく,複雑な心境になる。

タイムマシンが存在しない以上,本当のことは誰にもわからない。

しかし,そうであるからこそ,特定の意見だけを絶対視することは危険だ。

私は,「しばやんの日々」に書かれていることを絶対視しているわけではないが,「とにかく調べられる限り徹底的に調べる」という姿勢は,かなりレベルの高い歴史学者と比較しても尊敬に値するものだと思っている。

たいていは,単なるうけうりだけで,いい加減に書くものだ。

そういう中で,この「しばやんの日々」は,結論に賛否はあるかもしれないが,当該記事が書かれたその時点におけるベストを尽くしているという点で,比類のないものだと思う。

ちなみに,このブログでは某放送局の歴史ドラマの批判がときどき書かれている。

要するにドラマなので,真実の歴史とは全く関係がないのだが,大概の素朴な視聴者はそう思わないだろうから,その弊害が著しい。5分間に一度,「史実とは全く関係がありません。このドラマは,歴史上の素材を用いた純粋な娯楽作品です。」というテロップを画面のど真ん中に表示することを強制するような法制度を構築すべきではないかと思う。

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コメント

しばやんさん

コメントありがとうございます。

古い時代のことはもちろんとして,現代のこの瞬間のことだってよくわからないことのほうが圧倒的に多いです。

例えば,仕事の同僚や家族のことを本当によく理解していると断言できる人は少ないでしょう。たいていは,「***のはずだ」という思いこみでそのように信じているだけです。

同僚や知人等についても,あまり根拠の確実でない噂のようなものによってそのように評価しているというだけのことで,事実それ自体とは異なります。実際問題として,当の本人が自分自身のことをよくわかっていないというのがむしろ普通ではないかと思います(笑)

歴史上の人物や出来事に関しては,こういうことが累積した結果が現在発生しているわけですので,かなりの部分において「怪しい」と思うのがむしろ安全というものだろうと思います。

しかし,一般論としては,合理的な推論(仮説の設定)が可能なことがあり,同様に,どうやっても成立し得ない仮説を排斥することも可能な場合があります。そういう作業をひとつひとつコツコツと積み重ねるしかないのでしょうね。

そして,大事なことは,仮説を仮説として明確に認識することだと思います。高名な「偉い先生」の中には仮説に過ぎないものを「真理だ!」と言って頑迷に譲らない人もいますが,あまり感心しません。

もっともそういう先生がタイムマシンをもっていて当の歴史上の人物と直接に会ってきたというのであれば話は別ですが,まあ,その可能性はゼロだと思っております(笑)

投稿: 夏井高人 | 2017年9月13日 (水曜日) 09時51分

夏井先生、拙ブログの記事を紹介いただきありがとうございます。
先生に読んで頂いていただいているだけでも嬉しいのに、過分なほどのお褒めの言葉を賜わり、とても励みになります。

戦後の歴史叙述は、人物本位で描かれることが少ないのですが、そのためにその叙述が嘘であることが簡単に見抜けなくなっているように思います。

学生時代には納得がいかないながらも、テキストにある叙述を丸呑みしてきましたが、歴史上の登場人物が、その時代の情勢をどう捉え、どう考えてその行動をとったのかということを、自分なりに調べて行くと、通説の嘘臭さが見えてくるようになりました。

もちろん私の説が正しいとは限りませんが、通説の根拠が怪しいものであることを多くの人に理解していただき、議論が深まるだけで良いことだと考えています。

これからも時々覗いていただくと嬉しいです。

投稿: しばやん | 2017年9月12日 (火曜日) 20時11分

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