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2017年7月28日 (金曜日)

世論

世論は存在しない。ゆえに,厳密には,世論調査は常に成立しない。

一般に,「世論」と呼ばれているものの本質は,それを世論であると主張する者の主観的な認識の代名詞のようなものに過ぎない。つまり,常に客観性がない。

ところで,ニュース報道などをみていると,ブログ記事などを紹介し,あたかも「世論」であるかの如く装っているものがないわけではない。スポンサーの意向を受けたステルス的な洗脳工作の一種である可能性もあるが,たぶん,もっと安易で無責任な理由によることが多いのではないかと想像している。

しかし,たとえば,「2ちゃんねる」上でのやりとりの一部をコピペして「これが日本の世論だ」と海外に紹介されたら,それに賛成する日本人は少ないのではないかと想像される。

その反対も全く同様だ。

それゆえ,その手の非常に安易なブログコピペ記事を読んで一喜一憂する者は愚かであると言える。

(余談)

「声なき声」はある。

これは,世論とは全く異なる。

大概の場合,特定の少数の集団の利益を反映する意見であって,民主主義の理想とは真っ向から反する。

(余談2)

世論調査と称するアンケート調査の類がある。

大概の場合,信頼度が著しく低い。

例えば,有効回答数をベースにした統計結果が示される場合において,有効回答数が100~1000くらいだったとしたら,1億人以上存在しているはずの日本人の中の極めて少数の意見を反映するものでしかないということを即座に理解することができる。

少なくとも1000万人の単位の人々の意見を反映するものでなければ,それは「世論」であるとは言えない。

単なるアンケート結果として示されるべきであろう。

そして,それでもそれを「世論である」と主張する者がある場合,それを主張することそれ自体,その者が意図的な「公衆扇動者」であると評価することのできる重要な指標を自ら提示していることになる。

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