高地栗谷1号墳が消滅
下記の記事が出ている。
加計学園「獣医学部校舎」が貴重な文化財古墳を大破壊
日刊ゲンダイ:2017年7月23日
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/210005
通常は,古墳を残存させる方向で工事を進めるものだ。同じ医学関係の施設では,例えば,下記のような例がある。
北本市八重塚2号墳
http://sgkohun.world.coocan.jp/archive/index.php/kitamoto_yaeduka/
私自身もこの遺跡を実際に見にいったことがある。きちんと管理されており,立派なものだと感心したことを覚えている。
破壊された古墳は,過去に既に石室の石材盗掘のために破壊されてしまっていたらしい。
高地栗谷1号墳
http://www.city.imabari.ehime.jp/bunka/maizou/kuritani1go/
経済的な利益のためには祖先の墓であろうと何であろうとおかまいなしという伝統のようなものがある地域ではなく,のんびりとした風土であるために,このような事態が発生してもその重大性になかなか気づかないだけだと思うのだが,それにしても残念なことだと思う。
この遺跡からは貴重な出土品が発見されており(上記「高地栗谷1号墳」のサイト参照),重要性の高い遺跡だと思う。位置関係からしても,古代史上かなり大きな重要性をもっている。このことは,既に私の論文の中でも指摘したとおりだ。
しかし,破壊されてしまったので,今ではどうにもならない。
[追記:2017年7月24日]
彼是の相違について考えてみた。
わけのわからないものに夢中になっている学者を北里大学は抱擁した。その結果,名誉においても経営的にも最大の結果を出すことができた。北里大学の経営陣は賢いのだと思う。
対照的に,目先の利益のために,わけのわからない古代からの遺産を軽視すると・・・
一般に,私自身を含め,世間の大半の者は凡庸なので,わけのわからない研究の真価を評価することなどできない。
だから,学術においては,客観的な評価が成立する余地は全くない。
各自,刻苦勉励するしかない。
商売人の感覚とは相当異なる世界が存在する。
北里柴三郎がコッホ研究所で執拗に微細生物を研究したのは賢明だったと思う。それが日本国内であれば,凡庸未満の人々によって潰されていた可能性が高い。
北里柴三郎は,当時の常識に従えば,奇人変人の類であったかもしれない。しかし,本当は,世間のほうが愚劣であったのに過ぎない。
かつてとは異なり,現代は,インターネットの時代だ。
国内でギルドをつくりたければつくればよろしい。
それとは全く無関係に,世界規模での客観的な評価システムが構築され,実装され,運用される時代となった。それが人工知能システム及びビッグデータと結合され,合理的に運用されるとき,世界各国の「学術会議」なるものは,ユネスコによって文化遺産として登録されることになるのであろう。
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