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2017年6月28日 (水曜日)

EDPS 意見書(Opinion 3/2015)

EDPS 意見書(Opinion 3/2015)の参考訳を作成し,法と情報雑誌2巻6号に掲載して公表した。大学の仕事をこなしながら約3日ほどで訳して解説を付したものなので,誤訳や誤記の類が残っている可能性がある。あくまでも原文を読む際の参考として提供している。

 https://edps.europa.eu/sites/edp/files/publication/15-10-09_gdpr_with_addendum_en.pdf

この意見書には,2030年代の予測のようなことが書いてある。すなわち,「おそらく、2030 年代後半までである。そのときまでの間に、データ駆動型技術は、人工知能、自然言語処理及びバイオメトリックシステム、高度な知能のための自動学習の機能をもつアプリケーションに収斂しているものと想定される」とある。

要するに,社会において広範に人工知能の技術が応用されている状態を想定している。

私は,かなり甘い見通しではないかと思っている。

チューリングの理論の信奉者であることを完全にやめてしまいさえすれば,かつ,従来の自然言語に関する一般的な言語学上の理論を基本的には全部忘れて,もっと素朴な考え方に基づいてプログラム設計の根本を変えてしまいさせすれば,人工知能技術の開発は,とんでもなく大きなブレークスルーを迎えることになるだろう。それがどんなに権威があり支配的な理論であるとしても,根本的に間違った理論に基づく限り,ブレークスルーはない。そのような前提で,既に開発をはじめているところもきっとあるのに違いない。

そして,この意見書にあるような社会の到来は,2030年代ではなく,2020年代ではないかと考える。

***

法と情報雑誌は,通巻12号となった。1年間続いたことになる。研究費から印刷費を支出できる場合を除き,基本的に私費でやっているもので,非売品なので,ごく少数部しか印刷していない。しかし,国立国会図書館には納本しており,本館と関西館に1冊ずつ収納されているので,所定の手続に従い,そのコピー(紙媒体のみ)を入手することができる。デジタルのファイルの流通は,寄稿した個人の自由に任されている。私が書いたものの場合,特定の個人または法人に対して特別に許諾を与えた例外的な場合を除き,デジタルのファイルを一切流通させていないので,もし特別の許諾なくそれを保有する者があるとすれば,(著作権法の定めがある場合を除き)全て違法コピーということになる。

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