ネット上での意見集約は曲がり角か?
下記の記事が出ている。
'Bots' spam FCC website over proposed net neutrality reversal
BBC: 17 May, 2017
http://www.bbc.com/news/technology-39950399
今後,より高度なbotがどんどん作成されることになるだろう。人工知能技術の応用がそれを加速している。
ネット上で多数意見のように見えても実はそうではない。
政府だけではなく,マスコミも,ネットから世間の動向をキャッチしたり,ネット上の投稿を転載するだけの楽ちん仕事をやっていると,たぶん,自己破滅することになる。
ネットから情報を収集することそれ自体の有用性が損なわれるわけではないが,情報の真贋を正しく判定し,これまでとは全く異なる高度な工夫をした上で,綿密な吟味と正確な検証を経た上で行うのでない限り,私を含め,誰にとっても自己破滅の原因となり得る。
著作権法に定める複製権,翻案権,公衆送信可能化権等の定め(及び関連裁判例に示されている裁判所の解釈)を適法にクリアしていない限り,批判を受けて沈没するだけではなく,最終的には巨額の損害賠償責任や刑事責任を負うことになることを避けることができないことは言うまでもない。
「スマホで楽ちん」だけに慣れ切っている人々は,原則として,そのような自己破滅予備軍として分類可能である。
総合的にみると,「楽観主義の時代は完全に終わった」と言えると思う。
(余談)
昨日,某先生と読書の要否について話題となった。よい会話だったと思う。
私見としては,(電子的なものと非電子的なものを含め)読書によって他者の見解や経験を擬似的に取得するという営みの蓄積を継続しない者は,結果的に,社会の底辺に沈んでいくことになるだろうと想像している。簡単に言えば,これまで以上に,社会内での格差が拡大し,どうにも回復しようのない状況になるだろうと考える。
[追記:2017年5月21日]
関連記事を追加する。
CIO Diary: Lessons from the FCC bot-swarm attack
ZDNet: May 19, 2017
http://www.zdnet.com/article/cio-diary-lessons-from-the-fcc-bot-swarm/
[追記:2017年5月27日]
関連記事を追加する。
Net neutrality: 'Dead people' signing FCC consultation
BBC: 26 May, 2017
http://www.bbc.com/news/technology-40057855
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