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2017年5月19日 (金曜日)

馬鹿なアンケート

ある「事柄」についてアンケートを実施すると仮定する。

その「事柄」がまだ完了しておらず,始まったばかりの段階で,アンケートをとるとする。

開始状況に限定したアンケートであれば意味がないわけではない。

しかし,その「事柄」全体に対する評価を求めるものであるとすれば,統計上,全く無意味であり,アンケートとしての価値を一切もたない。資源と労力の無駄だ。

そのようなアンケートを求める者は,統計というものについて完全に無知であることが明白なのだが,その意味で自らを失格者であると断定することができるような自己点検・自己評価をすることのできる栄誉を与えられる。

以上は,あくまでも一般論である。

(追記:2017年5月21日)

官公庁,外郭団体的な諸団体,認証機関,企業等からアンケートや様々な書類の提出が求められることがある。その中には合理性のあるものが多数あることは当然のことだ。しかし,単なる「エビデンス」を作成するための無意味なものが多数含まれていることもまた事実だ。

そして,あくまでも一般論としては,そのような書類等が補助金その他の金銭的な給付を受けるためのものである場合,それは,詐欺行為の強要罪に該当し得ることがある。

一般に,アンケートや統計というものは,何度か実施してみないとその有用性や有効性を評価することができないという側面があることは事実だ。何しろ測定手段の一つなので,測定手段として機能するかどうかはやってみないとわからない面がある。

しかし,測定手段というものは,あくまでも手段の一種なのであり,それ自体を目的として固執してはならない。

アンケートを実施してみて,その有用性・有効性が実証できないと判明した場合,特に統計学上の意義を証明することができないということが判明した場合には,即時にそのアンケートを廃止し,二度と実施しないようにすべきであろう。

そうでなければ,上記の構成要件該当性が出てくることがあり得る。

企業においても,役員等が無意味・不必要な書類の提出を取引相手等に強要する行為は,それが自己の役員報酬等を維持するため,または,株主訴訟を避けるため,粉飾等の発覚を防止するために「エビデンス」を蓄積する目的で行われる場合には,強要罪または詐欺罪の実行行為に該当し得る。

私は,手段としての報告書等の提出それ自体を批判しているのではない。その有用性・有効性を吟味・再評価しないで漫然と行われることがいかに資源と時間の浪費になるのかということを述べている。そして,それが無意味・不必要であることを知りながら誰かに押し付ける行為は,強要罪に該当することがあり得ると解しているのだ。

なお,頭が非常に悪すぎて,それが無意味・不必要なものだと認識・理解することのできない役員等も(あくまでも理論的には)存在し得る。そのような場合には,当然のことながら,解任事由または懲戒事由とすべきであろう。

中には,自分が発案したことにケチをつけられたという怒りだけで継続する役員等や,自分の面子だけを考える役員等もあるかもしれない。それも,当然のことながら解任事由または懲戒事由として理解すべきだと考える。そのようなことが横行するから,著名な大企業が突如として没落するようなことが起きるのだ。

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