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2017年5月26日 (金曜日)

サンダーバード

私の世代の人間であれば,小さい頃にテレビ番組として楽しんだ人が少なくないだろうと思う。

個人的には,登場するメカの中で,ずんぐりとした運搬メカであるサンダーバード2号が好きだった(笑)

現実の戦闘では,輜重隊は常に無残な攻撃に晒されるものなのだが,そういうことを踏まえても,やはり,サンダーバード2号は素晴らしい。最も実現可能性の高いメカだろうと思う。

それはさておき,EUの関連法令を勉強している間に,サンダーバードという組織の特殊性に気づくことができた。

国際法上の原則や国際協定等とは一切関係なしに,国境を越えて自由に移動し,武力を行使することができ,かつ,その大前提として,世界中の情報を常に握っている。

まるで,GCHQ及びそれと連携する特殊部隊みたいだ。

それが意図的なものであったか否かは別として,少なくとも,「国際法上の諸原則や国際協定を無視した緊急行動を実施する」ということに関して,心理的な抵抗感を大幅に減衰させるという社会心理的効果をもつ作品であったのではないかと考え,そのような観点からの再評価も進めている。

ちなみに,サンダーバードのような不思議な組織が,大金持ちのリーダーとその子供達によって組織されている。まるで,かつての王族または貴族か何かのように見える。

武人の王族または貴族は,ただ威張っていればよいのではなく,領土を合理的に統治し,対外戦争においては率先して指揮官となり,または,従軍しなければならない。武人の一族による武力を基礎とする統治は,古代ギリシアを含め,どの地域においても基本中の基本で,とりわけ,ユーラシアの歴史は基本的にそのようなものとして構成されてきたし,これからもきっとそうだろう。

特権階級を排した民主主義の歴史は,人類の歴史の中では非常に短いものだし,今後,長寿命のものとなるとは思われない。特に,近未来のロボット貴族が台頭する時代には,人間は,極めて脆弱なものとなるので,それによって,社会主義や共産主義の思想を含め,現在の政治思想や法思想のほぼ全部が終焉を迎えることになる可能性はある。

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