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2017年5月 8日 (月曜日)

Nathalie Nevejans, Traité de droit et d'éthique de la robotique civile

下記の書籍を読んだ。ロボットの民事責任に関しては,現時点で最も詳しい書籍ではないかと思う。とは言っても,フランス語の本なので,辞書をひきひき,かなり苦労をして,当面必要となる部分だけをざっと読んだ。

 Nathalie Nevejans
 Traité de droit et d'éthique de la robotique civile
 Les Etudes Hospitalières édition (2017)
 ISBN-13: 978-2848746685
 https://www.leh.fr/edition/p/traite-de-droit-et-d-ethique-de-la-robotique-civile-9782848746685

(余談)

近時,ロボットと法律との関連について述べる論文等が増えてきているようだ。全部読んでいるわけではない。日本語で書かれたものの大半は,とにかく勉強不足で痛々しいものが圧倒的に多いので,読む気がしないということもある。

本日,某先生とそのことが話題になった。

顕著な勉強不足のためにロボットの定義がしっかりしていない。だから,一体何についてどのような法理論を述べているのか全くわからない・・・というような結果になってしまっているものが少なくないとのことで,私もそのとおりだと思う。

もし制御可能な産業用ロボットに限定するのであれば,ISOとJISの定義を踏まえるべきだし,制御できないロボットも含めるのであれば,ISOとJISから始めること自体が荒唐無稽となる。ウィーナーの『サイバネティクス』から始めなければならない。

私は,そのようなものとして「アシモフの原則の終焉-ロボット法の可能性-」を書いた。

論点整理としては,そこで述べたことに尽きると思う。法哲学的な部分を除いては,この論文の中で私見の結論部分は示した。

法哲学的な部分については,次の論文の中で触れることにした。

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