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2017年4月10日 (月曜日)

The Unaccountable State of Surveillance: Exercising Access Rights in Europe

アマゾンに注文していた下記の書籍が届いたので,早速,ざっと読んだ。

 Clive Norris, Paul de Hert, Xavier L'Hoiry & Antonella Galetta (Eds.),
 The Unaccountable State of Surveillance: Exercising Access Rights in Europe
 Springer (2017)
 ISBN-13: 978-3319475714

批判的な立場で書かれているので,そのようなものとして読まなければならないが,全体として非常に良い本だと思う。

CCTV等のサーベイランスは,それ自体として問題があるが,どのような調査をしているのかを「知る権利」が充足されているかという点も見逃せない。この本は,そのような観点に重点を置いている。

特にEUの個人データ保護法制において必ず登場するアクセスの権利の実態がよくわかる。構成国レベルでも個別に章がわりあてられ,丁寧な調査結果が述べられており,比較法的な検討をする場合に必要となるありがたい手掛かりを与えてくれている。

ただ,法律の条文をみる限りでは,そもそもそのような権利ではないのかもしれないというのが私見で,多数の参考訳をつくりながら,そのような感を深めつつある。関連する多数の条文を読めば読むほどそういう気分になる。

この問題について,日本国で刊行さrている一般的な憲法や行政法の教科書等に書いてあることは,ほとんどあてにならないので,直接に当該適用される法令の全条文にあたって丁寧に考えるという努力を積み重ね続けるしかない。

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