Paul Lambert, The Data Protection Officer: Profession, Rules, and Role
下記の書籍をざっと読んだ。
Paul Lambert
The Data Protection Officer: Profession, Rules, and Role
CRC Press (2016)
ISBN-13: 978-1138031937
Data Protection Officer (DPO)は,日本ではデータ保護責任者と訳されることが多い。
個人データ保護法制の研究をしていると必ず出てくるものなのだが,その実際の仕事をしる人は意外と少ないかもしれない。
しかし,欧州では,DPOの横断的な団体もあり,著書を出しているDPOもいる。EUでは,女性のDPOもかなり多数存在する。
近年のEUの立法の中では特にその重要性が増している職種の1つと言えるだろう。
この書籍は,インターネット法について多数の書籍を出しているPaul Lambertの最新作で,昨年可決されたGDPRの条項に即して,その実際の運用にも留意しながらDPOの仕事とその法的根拠,そして,問題点について述べるものだ。
類書があまりないので,とても参考になる。
私個人としては,GDPRの条文だけではなかなか具体的なイメージをつかめないでいた部分を理解するのに役立った。
技術系のマニュアルではないので,技術的な措置だけに興味をもつ人にとってはあまり面白くない本かもしれないが,もともとそういう本ではない。
平易に書かれており,読みやすいので,EUの個人データ保護法制の研究者にはお勧めの一冊と言える。
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