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2017年3月 9日 (木曜日)

スマートTVはスパイ装置か?

下記の記事が出ている。

 How to keep your smart TV from spying on you
 ZDNet: March 8, 2017
 http://www.zdnet.com/article/how-to-keep-your-smart-tv-from-spying-on-you/

 Panicked about the WikiLeaks smart TV disclosure? Here’s what you should know.
 Washington Post: March 8, 2017
 https://www.washingtonpost.com/news/the-switch/wp/2017/03/08/panicked-about-the-wikileaks-smart-tv-disclosure-heres-what-you-should-know/

スパイ装置以外のなにものでもない。その利用者を監視するために存在している。

しかし,更によく考えなければならないことは,元来,端末装置とはそういうものだということだ。スマートフォンやその他のPCを含め,何らかのホストに接続してコンテンツその他のリソースを利用する場合,そのホストは端末装置の状態を監視することなしにそのホストを適正に運用することができない。

それゆえ,ネットワーク社会とは,もともと監視社会なのであり,それを利用することは個人の自由と秘密の一部を放棄することと同義だということを理解すべきだろう。

それだからこそ,ホストの管理者には一定の法的義務が課されるという順番で考えるのが正しい。

これを逆転させて,利用者の側に「コントロール権」があると考えるのは,論理それ自体が(理論構成においても,制定法及び判例法による実証性においても)全く成立不可能であるし,現に,日本国のごく限られた人々がご本尊のようにして信仰しているだけのことで,世界的には全く認められていないというだけではなく,問題の本質を見誤らせるという意味で非常に大きな社会的有害性のある論理だと考えている。

データの管理者(コントローラー)は,あくまでもホストの運用者なのであり,それだからこそ,ホストの運用者は管理者としての法的義務を負わせることができる。

今回のCIAの問題は,そのような観点から考察を始めないと,やはり問題の本質を見誤ってしまうことになる。

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