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2017年3月28日 (火曜日)

ソメイヨシノの起源

DNA解析による研究成果としては下記のものをWeb上で読むことができる。

 中村郁郎・土屋有沙・高橋弘子・真壁壮(千葉大学大学院園芸学研究科)
 ‘ソメイヨシノ’の起源を解明-‘ソメイヨシノ’が人為的に育種され、原木候補を示唆する証拠を発見した-
 日本育種学会2015年春季大会(127回)
 https://www.nacos.com/jsb/06/06PDF/127th_307.pdf

この論文が最新の知見を示すものと考えられる。

江戸時代には既に鼠の複雑な交配による新品種の作出が行われていたくらいなので,植物に関してはもっと複雑な交配が行われていた可能性が極めて高い。

この中村郁郎氏らの見解が出る前のものとしては,下記のものが代表的なものだったのではないかと思う。

 印南秀樹・寺内良平・宮下直彦
 DNAフィンガープリティングによる,ソメイヨシノ(Prunus yedoensis)の種内変異とその起源に関する研究
 遺伝学雑誌70巻・ 2号, p.185-196(1995-04)
 http://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010522351

なお,一般向けに書かれたものとしては,下記のサイトの論説が参考になる。

 ソメイヨシノの起源について
 http://www2.odn.ne.jp/had26900/topics_&_items2/someiyoshino.htm

いずれにしても江戸時代の日本における交配起源説を支持するもので,私見としても,日本の桜品種のほぼ全てが交配品の子孫だろうと思っている。

サクラに限らず,現在みることのできる植物の非常に多くが江戸時代以降の交配による園芸品種の子孫なのであり,完全な野生種は極めて少ない。

なお,他の国には別の見解を信じている人々もある。しかし,英語や日本語の論文を正確に読むことのできない人々をなじっても仕方のないことなので,批判はしない。

そのようにして夢想の中で生き,そして,寿命が来たら平和に死ぬことができるのだとすれば,それはそれで幸福というものであろう。

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