林紘一郎『情報法のリーガル・マインド』
林紘一郎先生から下記の書籍の寄贈を受けたので,早速読んだ。
林紘一郎
情報法のリーガル・マインド
勁草書房 (2017/2/20)
ISBN-13: 978-4326403349
内容に関しては,私見とかなり異なる部分が多いのだが,林先生の立場で書くとすればこういうことになるのだろうと思った。林先生の御研究の集大成ということになるのだろう。
私が思うには,情報法のコアの部分には,情報通信それ自体と直接に関係する膨大な量の法令が存在する。林先生は,そのことは十分に踏まえておられると理解した。
しかし,あくまでも一般論として,他の類書を読んでみると,情報通信と関係する法令には1行も触れないで「情報法」を論じているものが決して少なくない。
そのようなものは詐欺の一種のようなものなので,その著者の受講学生は非常に気の毒だと思っている。
そのような情報通信法制と全く無関係な書籍は,例えば,「メディア法」なり「人権法」なり,「知的財産法」なり,全く別の標題とすべきであろう。これらは,レイヤで言えば,アプリケーション層のみを扱うものであり,物理層には全く触れておらず,プロトコルについても無頓着であると言える。そのような場合,アプリケーション層だけを扱う書籍であることを明確に表示することは,著者の社会的義務の一部だと考えている。
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