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2017年2月18日 (土曜日)

コネクテドカーに新たな脆弱性が見つかる

下記の記事が出ている。

 Researchers discover security problems under the hood of automobile apps
 ars technica: February 18, 2017
 https://arstechnica.com/security/2017/02/android-connected-car-apps-could-give-up-the-keys-to-criminals/

問題のあるシステムは,自動車という1個の製造物の一部を構成するものなので,当該自動車の製造会社が全ての責任を完全に負う。

人間の利用者が自己の判断に基づく責任で自動車を運転する世界では,自動車の製造会社とその利用者(運転者)との間の責任の分界点のようなものが存在する。しかし,完全に自動化された自動車に関してはそのような分界点は存在せず,製造会社だけが100%の責任を負う。

今後は,マイクロソフトとシマンテックを合わせた業務と同等かそれ以上の分量と質のセキュリティ業務を負担することのできる企業でなければ,この種の製造物の製造・販売をすることが難しくなることだろう。日々,製造物である自動車内に組み込まれた全ての電子装置とソフトウェアに対するセキュリティチェックとセキュリティ更新が必要となり,かつ,セキュリティチェックとセキュリティ更新が実行されている間は当該自動車が発進しないように機械的なロックをかける仕組みも必要となる。

結局のところ,完全に自動化された自動車を提供することは,自動車の製造会社のリスクを極限また高めることになる。このような場合,保険会社は,保険契約者が単数またはごく少数の自動車製造会社だけになってしまうので,保険契約としても責任・負担の分散を図ることができなくなる。つまり,保険契約が成立しなくなる。

それゆえ,その経営判断は,全体として,完全な失策ということになるのだろうと思う。責任が自己以外に分散されるように経営判断を行わなければならない。

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