考古学ジャーナル 2017年2月号(694号)
三省堂本店で下記の雑誌を購入して読んだ。
考古学ジャーナル 2017年2月号(694号)
特集:食文化と考古学-縄文時代の動物遺体-
http://www.hokuryukan-ns.co.jp/magazines/07journal/j2017_02.html
日本国の動植物に関する具体的な記述の中で最も古い記述は『魏志倭人伝』の中にある。しかし,文字しかない。そのため,従来の学者の多くは,現代の山野でみつけることのできる動植物等を前提にものごとを考えてきた。やむを得ない面はある。
しかし,近年の考古学における解析技術の発展にはすさまじいものがあり,これまでよくわからなかったことが続々と解明され続けている。
今回の考古学ジャーナルの特集記事も,そういう意味で非常に貴重なものの一つと言えるだろうと思う。
雑感としては,日本の哺乳動物に関する限り,その多くが外から繁殖目的で移入されたものが野生化したものではないかとの感を強めた。
動物だけではなく,植物もそうだ。
日本では,人里付近にしか棲息しない動植物がやけに多すぎる。
そういうものを「野生動植物」として法的に保護すること,特に刑罰で処罰することは,憲法違反に該当し得る。強いて言えば,動物愛護法の適用の可否が問題となるのであって,自然保護とは無関係のことだ。
文系・理系を問わず,これまでの通説や先入観のようなものを全部捨て,科学的に証明可能なものを確定し,そうでないものはあくまでも推論として立論するという科学的な立場を重視すべきだろう。少なくとも,特定の政治的イデオロギーによって学術全体をゆがめてきたこれまでの姿勢は完全に改められなければならない。これまた時代のなせるわざとでもいうべきものではあるが,間違いは間違いとして認める潔い態度がなければ,学術であるとは言えない。
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