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2017年1月10日 (火曜日)

米国:監視をする側のトップにはプライバシーがあるか?

下記の記事が出ている。

 How hackers made life hell for a CIA boss and other top US officials
 ars technica: January 10, 2017
 http://arstechnica.com/tech-policy/2017/01/how-hackers-made-life-hell-for-a-cia-boss-and-other-top-us-officials/

(余談)

支配者を平民と同じに平等に扱うことにしている社会なので,支配者のプライバシーが議論されることになる。

かつての王族や貴族が支配する社会では,王族や貴族にはプライバシーは存在しなかっただろうと思う。日々の生活は(性生活を含め)全て誰にでもみえる状態にあったのに違いない。しかし,王族や貴族は何をやっても許されるので,プライバシーを保護する必要がなかったと考えるのが正しい。

現代において,CIAやFBIのトップは,平等に米国の国民の一員であることになっている。それゆえ,プライバシーが問題にされる。

しかし,仮に現代でも支配階級または特権階級は何をやっても許されるという社会だったとしたら,プライバシーの問題は何も生じない。問題にする必要がないのだ。それを倫理に反するものとして誹謗中傷する者や讒言する者があれば,処刑してしまえばよろしい。

しかし,現代の社会は,建前上では「平等な社会」だ。

そして,トップといえども一人の人間なので,必ず欲望があるし,競争心の強い者には必ず何らかのスキャンダルがある。

それは,権力と地位を得るための競争だけではなく,私的な性欲の充足や金銭欲の充足の面でも競争心が強いからにほかならない。

一般に,「英雄よく色を好む」といわれるが,それは本当は逆のことで,何に対してでも強く欲望をもつ者でなければ「英雄」と呼ばれるような高い地位にたつことなどできない。

聖人君子は,『荀子』のような書物の中には存在し得るかもしれないが,現実には絶対に存在しない。

このような問題の解決策は,1つしかないだろうと思う。

組織のトップにある者が在職中には,その私生活に関するスキャンダルを全て不問とし(職務上のスキャンダルは,当然のことながら,解任事由となる。),その者が退職または退任するまでは,その私生活上のスキャンダルと関連する全ての損害賠償請求権の消滅時効の進行を停止するという法律を制定することだ。

停止していた消滅時効は,退職した時点から進行を開始するので,問題のある者は,退職した後に,関係者に対して損害賠償をすればよろしい。

このように在職中には,私生活に関する倫理問題を一切問わないことにしないと,誰もトップにたつことなどできなくなる。

ところで,世界の諜報機関は全ての者の私生活を常時監視している。ところが,その監視内容は,誰かによって(特に他の国の諜報機関によって)ハックされ得るものなので,事実上,私生活上の秘密を守ることなど全くできない社会となっている。

つまり,監視する側のトップも監視から逃れることはできない。

以上は,アメリカ合衆国において権力を有する者に関する意見だ。普通の一般市民には適用されない。

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