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2016年12月 9日 (金曜日)

米国と英国の諜報機関が飛行中の旅客機内のモバイル通信も傍受

下記の記事が出ている。

 Making calls on the plane? Spies may have your number
 Naked Security: 8 December, 2016
 https://nakedsecurity.sophos.com/2016/12/08/making-calls-on-the-plane-spies-may-have-your-number/

 U.S. and U.K. spy agencies have been intercepting in-flight phone calls for years
 CIO: December 8, 2016
 http://www.cio.com/article/3148486/privacy/us-and-uk-spy-agencies-have-been-intercepting-in-flight-phone-calls-for-years.html

 Snowden Leak Reveals NSA Spied on Air Passengers’ Phones, Internet Downloads
 Softpedia: December 9, 2016
 http://news.softpedia.com/news/snowden-leak-reveals-nsa-spied-on-air-passengers-phones-internet-downloads-510845.shtml

スマートフォンや携帯電話などの移動体通信の中で諜報機関等によっ通信傍受されないものは基本的に存在しないと考えるのが妥当だろう。このことは,エシュロンが問題とされた時代からずっと言われてきたことではあるが,本質的には何も変わっていない。

「秘密通信は,事実上,存在しない」と言い換えることもできる。

法律上,通信の秘密が定められているか否かの問題はあるが,そういうことではなく,事実として通信の秘密は存在するかということをまず確定すべきで,その上で規範との抵触の有無を検討しなければならない。

そして,その上で問題とすべきことは,「本当はそのようになっている」ということが一般に周知されていないということだ。

「秘密通信が確保されていない」のであれば,そのようなものとして利用することができる。しかし,事実に反して「秘密通信が確保されている」と誤信すると,そのようなものとして利用してしまうことになる。

以上の前提で,通常は,それでも「通信の秘密が確保されている」と法解釈することになる。それは,守秘義務という安全性確保措置(safeguards)が存在することを根拠としている。

つまり,事実として「秘密が確保されているか」という問題(seinの問題)と法解釈論として「秘密が確保されているものとして扱われるべきか」という問題(sollenの問題)とは全く別の問題だということを正常に理解しなければならない。

[追記:2016年12月14日]

関連記事を追加する。

 Our planes are now 'big flying mobile devices' and top hacking targets
 ZDNet: December 13, 2016
 http://www.zdnet.com/article/planes-as-big-flying-mobile-devices-are-top-targets-for-hackers/

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