教育の分野もAI化するか?
下記の記事が出ている。
Could online tutors and artificial intelligence be the future of teaching?
Guardian: 26 December, 2016
https://www.theguardian.com/technology/2016/dec/26/could-online-tutors-and-artificial-intelligence-be-the-future-of-teaching
「教育(education)」と「学習(learning)」の定義の問題かもしれない。
従来の日本においては,単なる「訓練(training)」または「再生産(reproduction)」に該当する営みのことを「教育」と呼び,国民に押し付けてきた。富国強兵策の残滓というべきものかもしれないが,元来,産業革命後の社会というものはそういうものなので,単純に指揮命令に従うある程度までの知識をもった画一的な労働者が多数必要だった。その需要を満たすための国家制度であるということができる。このことは,資本主義の国でも社会主義または共産主義の国でも変わらない。
しかし,産業革命時代的な労働の中で物理的な動作を要するものは産業用ロボット(Robotics)で代替されつつあるので,この分野では人間が必要なくなるし,また,機械的労働能力を再生産するための「教育」も必要がなくなる。では,事務系はどうかというと,計算処理可能な問題についてはAIで置き換えられつつあるので,いずれ人間も必要なくなる。
すると,AIによって教えなければならない項目もなくなってしまう。AIが自己学習能力によってAI自身だけが常に人間に対して優位になるように自分自身のプログラムを書き換え続けデータを蓄積し続けることになるだろう。このデータの蓄積が限界に達するまでは,人間がAIのためのパーツとして使役されることになる。これが最後の労働となる。
そのあとは,人間が一切必要なくなるし,人間が得られる職業もなくなってしまうので,自然と人類は消滅することになる。
結局,AIの進化によって産業革命の時代は終わる。そして,人類の歴史も終わる。
ただし,歴史をもたない動物としての「ヒト」は残るかもしれない。
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