米国:トランプ氏は情報技術分野(IT)についてどのような基本的な考え方をもっているか?
下記の記事が出ている。
What the Trump win means for tech, science, and beyond
ars technica: November 9, 2016
http://arstechnica.com/tech-policy/2016/11/what-the-trump-win-means-for-tech-science-and-beyond/
(余談)
これまでのマスコミのキャンペーンが意図的にゆがめられたものだったことは既に完全に証明されていると考える。そのようなキャンペーン記事(職業評論家の評論を含む。)の資金提供者が誰だったのかを知れば一目瞭然だ。
私見では,トランプ氏は,大概の人々の予想に反して,穏当な政策路線を採用するだろうと思う。同氏は,変わり者ではない。
ただし,日本国政府は,TPPに関する限り,日和見をきめこんだほうが良いと思う。「慌てる***は・・・」との格言もある。
(余談2)
「世界を実際に支配しているのは誰なのか?」については,非常に多くの人々の興味をひいてきた。ユダヤの陰謀説,フリーメイソンの陰謀説等々・・・様々な見解がある。
もっと普通に考えるべきではなかろうか?
トランプ氏の政策が実際にはどうなるのかについては不透明な部分が多いけれども,少なくとも,米国連邦政府の主要機関の各トップ(独立行政委員会ではその委員構成)が全て共和党優位のものへと修正されることが確定したので,その結果として生ずる様々な現象には特に注目すべきだと考える。
(余談3)
トランプ氏の勝利によって一番深刻に悩んでいるのは,中国政府ではないかと思う。
それは,対米関係についてではない。
中国では,米国とは全く比較にならないほど貧富の差が拡大してしまっているからだ。しかも,民主主義という国家制度上の安全弁をもっていない。
[追記:2016年11月10日20:45]
本当はどちらのほうが変な人々だったのかを自ら実証してしまうような出来事が起きているようだ。とても理性的な行動であるとは思われない。
Thousands of anti-Trump protesters take to streets of U.S. cities
REUTERS: November 10, 2016
http://www.reuters.com/article/us-usa-election-protests-idUSKBN1343CO
[追記:2016年11月11日]
関連記事を追加する。
Trump’s Presidency Raises Encryption and Surveillance Fears
infoSecurity: 10 November, 2016
http://www.infosecurity-magazine.com/news/trumps-presidency-raises/
Worried about the NSA under Trump? Here's how to protect yourself
Guardian: 10 November, 2016
https://www.theguardian.com/technology/2016/nov/10/nsa-trump-protect-yourself
How Donald Trump could dismantle net neutrality and the rest of Obama’s Internet legacy
Washington Post: November 10, 2016
https://www.washingtonpost.com/news/the-switch/wp/2016/11/10/how-donald-trump-will-dismantle-obamas-internet-legacy/
これらの記事に書かれている意見は,それ自体としてはもっともなのだが,Snowden氏が暴露した出来事が米国民主党政権の下で行われていたという事実を無視している点は不公平なのではないかと思う。米国の共和党と民主党だけではなく,どの国のどの政権であっても,国防のためには全く同じことをするだろう。
大事な点は,現代の社会は「戦時と平時が常に共存する状況」の下にあるということを明確に認識することに尽きる。
他方で,下記のような記事が出ている。
Silicon Valley Reels After Trump’s Election
New York Times: November 9, 2016
http://www.nytimes.com/2016/11/10/technology/trump-election-silicon-valley-reels.html
悲観論だ。
しかし,ちょっと筋違いのような気もする。トランプ氏が批判しているのは,雇用が米国から米国の外に移動してしまったということだ。IT企業の多くは,トップエリートだけが米国内におり,製造作業は中年米やアジア諸国に工場をつくって安い人件費で行ってきた。このような雇用形態に関するモデルがチャレンジを受けているのだと理解するのが正しい。
では,国内で生産する政策を強力に推進した場合,価格競争力が低下することはあるのだろうか?また,雇用を産むことができるのだろうか?
私は,そのどちらについても懐疑的だ。
10年前と比較して,人工知能の応用技術やロボティクスの発展が極めて著しい。米国内に工場が戻ってきても人間によってではなく産業用ロボットによって生産されることになるだろうし,流通も管理も産業用ロボットによって行われることになるだろう。そして,人件費がゼロである場合には,どの場所で製造しても価格競争力に差はなくなる可能性が高い。このことは,アジア諸国でも同じなのだが,怒った人々によって工場が襲撃され破壊されるリスクの程度を考えると,概ね妥当な予測結果を出すことができるのではないかと思う。
「人間が必要とされない社会」のモデルを頭に描くことのできない学者や評論家には理解されないことかもしれないが,「人間の尊厳」は理念なのであって事実ではないということを明確に認識する必要性がある。
いずれにしても,トランプ氏の政策を実施しても米国内の雇用は増えない。仮に現在の政権の政策を維持したとしても,それによっても米国内の雇用が増えることはない。
それは,この分野の科学者や技術者達がそのような人間不在の社会を構築するための努力を長年重ねてきた成果が見事に結実したものだということができる。彼らは,自分達のやっていることが自己矛盾に満ちているということを理解するだけの能力を欠いているのではないかと疑われる。
このことは,米国に限らず,中国でも日本でも基本的には同じではないかと思う。
更に,下記のような記事も出ている。
Left-wing cyber-hangout blames security breach on pro-Trump trolls
Register: 10 November, 2016
http://www.theregister.co.uk/2016/11/10/democrat_site_blames_pro_trump_hackers/
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