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2016年11月21日 (月曜日)

散在情報

言葉だけが独り歩きしているように思う。

法概念としては意味がない。

問題とすべきことは,ファイリングシステム(データベース)の一部として電子的に処理される状態となっているデータか否かということだけだ。

散在していようが集合してようが,ファイリングシステム(データベース)の一部として電子的に処理される状態となっているデータであれば個人データとなり得るし,そうでなければ個人データとはなり得ない。

そのように電子的に処理可能な状態を生成するためのプロセスは様々なものが成立可能であり,それこそ散在している情報を集めてデータベースを構成することはあるだろう。

一時的に生成されたものに過ぎないように見える場合でも,同じ検索操作をすると常に同じ結果を再現可能なのであれば,それは,データベースの一種として考えるべきである。データベースであるか否かは客観的に判定されるべきであり,主観的な用途とは無関係のものである。

私的な生活の場面でそのような現象が生ずる場合について,一般規則GDPRは,まとめて適用除外とすることで対処している。それは,「データが散在するかどうか」という基準で仕切ることが理論的には不可能なことだからだ。

それゆえ,私は,「散在情報」なるものについては,論説等を書いてこなかったし,これからもそれを主たるテーマにして論説等を書くことはないだろう。

議論それ自体,あまり意味がないのだ。

(余談)

現在のクラウド+ビッグデータ環境においては,「personal data scattered」は,明らかに,広義のデータベースの中に含まれるデータの一種である。

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コメント

江藤貴紀 様

コメントありがとうございます。

フランシス・ベーコンのイドラは常に存在するもので,人間の認識能力の限界の一種なのだと思います。

大事なことは,「人間の能力には限界がある」ということを明確に自覚しながら,改善の努力を重ねることだと考え,日々自分自身を更新できるような努力を継続しております。

研究予算が枯渇してひどい状態になっておりますけど,金がないならないなりに何かできることがあるだろうと考え,研究方法についても日々検討と工夫を重ねております。

歴史学に限定すると,高校の教科書はひどすぎますね。近年の科学研究の成果により絶対になり経たないことが明らかになってしまっているような考え方(イデオロギー)のかたまりのような記述が平気で羅列されています。大学教授にもそのような残滓のような教授が山ほどいます。ですので,将来,歴史を勉強したい学生は,文学部の歴史学科のようなところには進学しないことです。全く別のアプローチをしっかりと身につけてから,攻撃し破壊すべき対象として陳腐化して意味のなくなってしまっている歴史学上の理屈をみつけ,破壊し,別の理屈を構築するための人生を送るべきでしょう。

伝統芸能ではないので,「過去の家元の教えを守る」だけのために存在しているようなタイプの歴史教育をしているのかどうかを冷静に判断し,もしそうであるなら,そのようなことをしている教室や教授には接近しないことが肝要です。「信頼しない(鵜呑みにしない)」,「まず疑う(イドラを回避する)」,そして,「一次資料から自分の頭で批判的に考えてみる(視点・視座に自己撞着しない)」といった発想が必要だと思います。また,当該学部において学位を得ようとすると,伝統芸能の奴隷になるしかない場合が多いので,とにかく学位の取得をめざすような馬鹿なことは人生の貴重な時間の無駄遣いだと悟り,学位がなくても世間が屈服して認めざるを得ないような圧倒的な量と質のアウトプットを出し続けるようにすべきだと思いますし,遠回りになったとしても,それを可能とするような人生設計をし,それを実現するために最大限の努力を尽くすことが大事だと思います。そうやってある程度の成功をおさめることができれば,学位を鼻にかけるだけで実際には論文らしい論文を何も書いていない評価委員等の言うことの空虚さを理解できるようになり、もし何かガタガタいうときには,いつでもブチっと踏み潰してしまうことのできる効率的かつ効果的な手段・措置を自然に見出してそれを実行すことができるようになり(そのような措置の実際の実行は,必要性原則及び比例性原則に従うべきです。),そして,何も怖れることがなくなります。とはいえ,現実の社会生活上の組織では,そのような低級人間が支配していることが結構多いです。しかし,私がこれまでの人生でみてきたところでは,結局のところ,そのような低級人間は,ろくな死に方をしてませんね。自業自得というべきでしょう。

南無阿弥陀仏。

投稿: 夏井高人 | 2017年2月15日 (水曜日) 05時34分

夏井高人様

人には、生まれた時代とその教育環境、職場環境に依存して、陥りやすい誤謬があると思います。(「思います」、以上のことは言いがたいか、さして身のない言葉の置き換えになるでしょう。)

ただ何かにつけて、考古学の成果や現代における実験結果等と矛盾しないようする努力は足りなかったなと反省するばかりです。しいていうなら、そのようなバイアスを生じた原因について、あくまでも限られた能力と予算から、なるべく合理的に思うよう鍛錬するしかできません。

投稿: 江藤貴紀 | 2017年2月14日 (火曜日) 01時55分

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