秦の始皇帝陵・兵馬俑はギリシア人の職人がつくった?
下記の記事が出ている。
Did Ancient Greeks help build the Terracotta Army? Western contact with China may have begun 1,500 years before Marco Polo
Daily Mail: 12 October, 2016
http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-3834642/Did-Ancient-Greeks-help-build-terracotta-army-Western-contact-China-begun-1-500-years-Marco-Polo.html
Western contact with China began long before Marco Polo, experts say
BBC: 12 October, 2016
http://www.bbc.com/news/world-asia-china-37624943
私の見解では,西域~現在の甘粛省のあたりには,当時,そのような人々が支配階級として存在していたと考える。蒙古人ではない。
要するに,ヘレニズムの一部に属すると考えるのが最も合理的だ。
このことについては,「艸-財産権としての植物」等の論文の脚注内でも述べてきた。
(余談)
始皇帝陵等が古代エジプトのピラミッドと非常によく似ていることは多くの人々によって知られているし,事実そうだと思う。
私は,古代エジプトのピラミッドをつくった人々とその子孫が古代の中国の皇帝の陵墓をつくったと考えている。おそらく,古代日本の方墳や頭塔もそうだろうと推定される。方墳と頭塔は、基本的には同じものだろうと考える。
これらの人々の子孫は,ずっと後代のフリーメイソンや逓信貴族までつながっている可能性がある。
[追記:2016年10月16日]
ヘレニズムの影響を指摘する見解は,中国の専門家の中にも多数あり,中国語で書かれた論文を苦労して読みながらその考えに次第に賛成するようになった。
考古学上の発見が明らかにそれを裏付けている。
ただ,中国出身の研究者等から聞いたところによれば,私が勉強のために読んでいる考古学関係の専門書を普通の中国人が読むのは相当に難しいということらしい。中国のWebサイトの中にはそういう関係のところもあるけれども,中国国内でちゃんと読めるサイトなのかどうかは知らない。加えて,中央アジア~ヨーロッパの文明の連続性を正しく認識するには,現代ではロシア語で書かれている考古学関係の論文等を網羅的に読まなければならないし,古代の文献としては,古代ペルシア語や古代インド語にも精通していなければならない。それらの中国語翻訳がちゃんと存在しているかどうかはよくわからない。それゆえ,このような関係の正しい知識が普及するにはかなり時間がかかるかもしれない。
しかし,現在の中国共産党が支配する前の時代には蒙古系の満州族が清帝国として君臨していた。漢族ではない。元の時代には蒙古族が支配していた。漢族ではない。五胡十六国の時代には,おそらく西域から押し寄せてきたコーカソイド系の人々が君臨する王国が多数存在していた。これは事実だ。そのような多重の文化の積み重ねの上に現在の中国が存在しており,古代から一貫して同じ文明が存在したわけではない。
このことは,日本国を含め,世界中の全ての国家が同じ条件の下にあると言える。だからこそ,偏見を捨て,現代の人々は,公平に相互に尊重し合わなければならない。
そういうことなどを客観的な資料に基づき,まさに唯物論に基づいて客観的に考え,平和裏に世界規模で意見交換できるような時代が到来することを心から望む。
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