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2016年8月 3日 (水曜日)

Yahooで非常に大規模な個人データの流出があり,闇市場で売りさばかれているらしい

下記の記事が出ている。

 Yahoo probes possible huge data breach
 BBC: 2 August, 2016
 http://www.bbc.com/news/technology-36952257

 Data of 200 Million Yahoo Users Pops Up for Sale on the Dark Web
 Softpedia: August 1, 2016
 http://news.softpedia.com/news/data-of-200-million-yahoo-users-pops-up-for-sale-on-the-dark-web-506864.shtml

規模から推定すると,外部からの攻撃による結果だとは考えにくい。

あくまでも一般論としては,企業買収(またはその可能性の増大)等により組織内のモラルのレベルが低下すると,必然的にそういうことが起きやすくなる。日常的な分け前が乏しい一般従業員は,莫大な利益配分を自分で決定している経営陣に対して常に恨みをもっているからだ。組織が安定している間は,内心では怨んでいても生きるために我慢しているが,不安定なときにはそうではない。これを防止するためには,経営陣の所得を恒常的に可能な限り減少させるという方策しかない。巨額の利益を得ることだけをインセンティブとする起業を推奨するようなタイプの社会は,かくも脆いものだ。巨利を得たい者は,そうした人的問題を避けるため,経営者1人だけが人間で,あとは全てロボットや人工知能という個人企業でやっていけばよいと考えるかもしれない。しかし,その場合でも素朴な嫉妬や妬みは発生するので,経営者以外の人間全てが常に潜在的な敵という状況が生ずることになるだろう。では,完全に均一な分配をする社会はどうかというと,人間の本性というものからして,「ナンセンスだ」と一蹴するしかない。

結局,経営陣は,欲張り過ぎず,従業員に対して適正な利益分配をすることを常に考慮に入れるというのがベターな戦略ということにならざるを得ないのではないかと思う。

なお,企業買収の後には,買収した側の企業が買収された側の企業の個人データを売りさばくということが十分にあり得る。EUの法制にしても日本の法制にしても,そのような包括承継の場合の法的手当は,基本的にぜんぜんなっていないので(=諸々の基本的な法原理と矛盾しないような合理的な管理策を構築することが不可能なので),それを悪用しないという手はない。

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