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2016年8月 7日 (日曜日)

WHO:中国のシルクロード計画は様々な疾病の感染域を拡大するとして警告

下記の記事が出ている。

 China Battles Conflicts in Health Sector as WHO Raises Concerns
 Voice of America: 5 August, 2016
 http://www.voanews.com/content/china-battles-conflicts-health-sector-world-health-organization-raises-concerns/3451059.html

人間の自由な移動は,ウイルス・細菌・寄生虫等の自由な移動を必然的に伴う。麻薬その他の危険物の自由な移動も容易になる。

ところが,人間の遺伝子のほうは変えられない。それぞれの地域の環境に特化して自然淘汰により生き残った種族がそれぞれの地域に居住しているので,自由な移動によって持ち込まれた病原菌等への耐性のないタイプの個体はたちまち感染して死滅する。

要するに,理念としては人間は平等なのだが,ややミクロ的に遺伝子レベルでみると,人間は全く平等につくられておらず,それぞれ個性的だし,地域特性がある。

今後は,遺伝子解析が更に進むだろうから,特別な生物化学兵器ではなく,自分の住んでいる地域ではごく普通に存在しているカビや細菌などを衣服につけて移動するだけで,そのようなカビや細菌に対する耐性のない人々が多く居住する地域を壊滅させるような普通の人間による生物化学兵器攻撃が可能となると想定すべきだろう(歴史上現実に存在した例としては,梅毒を考えればわかりやすい。)。

例えば,EUの基本権憲章は,論理学的にみると様々な自己矛盾をかかえている。その点を無視するとしても,そもそも現実に生存している生物としてのヒトは,立法者が想定しているような均一で理想的な生き物とはかなりかけ離れているという現実を理解すべきだろう。

人や物品の移動には一定程度の制限をかけないと,結果的に,めぐりめぐって全人類が滅びる可能性がある。

これが自由競争や自由貿易の物理的な限界だと悟るべきだ。

(余談)

自然保護の原理主義者のような人々は,純粋に野生という意味での「自然」というものを観念しやすい。しかし,私は,そもそもとんでもない思い違いをしているのではないかと考えている。野生の動植物と考えられている生物の中には人間が人工的につくりだした生物の子孫が多数含まれており,有用植物では圧倒的多数がそうなのではないかと推定される。日本列島の場合,大規模な火山噴火等により全絶滅を何度も経験しているので,そのたびに新たに入植してきた人々が持ち込んだ栽培植物等が野生化して現在の自然環境を形成していると考えるほうが明らかに合理的なのだが,同じことは中国大陸や朝鮮半島についても言うことができる。

実際問題として,「手をつけずに放置する」というタイプの保護を貫徹すると,必ず植生の遷移により比較的短期間で極相に至るので,その地域に棲息する生物種の種類が極端に減少する。このことは,自然科学をちゃんと勉強した人なら誰でも知っていることなのだが,自然保護だけを声高に叫ぶ人々にはそのような知識が完全に欠如していることが比較的多い。野生生物のように見えても本当は栽培種の子孫である場合には,栽培しなければ死滅してしまうので,半自然環境を人工的に構築・維持して半栽培状態を維持する必要がある。

かくして,半自然的な自然環境を構築しながら相互依存の中で人類は生き抜いてきた。今後もそうだろう。その相互依存関係の中には,当然のことながら,ウイルス,細菌,菌類等も複雑に関連しながら全体としての世界を構成している。

[このブログ内の関連記事]

 2000年前のシルクロードの旅人は(トイレットペーパーがないので)木の枝を用いていた?
 http://cyberlaw.cocolog-nifty.com/blog/2016/07/2000-563e.html

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