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2016年7月13日 (水曜日)

飛鳥寺で発掘されていたガラス玉の原産地(メソポタミア,インド,東南アジア)

下記の記事が出ている。

 制作地域はメソポタミアから中央アジア - 寺院創建で海渡る?/飛鳥寺のガラス玉
 奈良新聞:2016年6月8日
 http://www.nara-np.co.jp/20160608090551.html

 出土のガラス玉、中東のメソポタミアから奈良・飛鳥寺へ 奈文研
 産経West: 2016年6月1日
 http://www.sankei.com/west/news/160601/wst1606010104-n1.html

『日本書紀』によれば,当時,仏教経典も伝来していたとされる(通説は,漢文で書かれた経典だと解してきたが,経典の漢訳は主として唐の時代以降になされたので,現在では否定されている。北魏の仏教についても,経典はバクトリア語(ソグド語)等で書かれたもので,それを解する人々が寺院の仏僧だった可能性がある。)。

中国でつくられたものでないとすれば,バクトリア語(ソグド語)で書かれたものと推定するのが妥当だろう。金剛般若経のバクトリア語等のペルシア語系統の言語で書かれたと推定される経典断片が中央アジアで発掘されており,かなり古いものだと推定されているので(渡辺章悟編『金剛般若経の梵語資料集成』(山喜房書林,2009)参照),こういうものが伝来したのかもしれない。

すると,当時の倭国の支配階級は,そのような文字を解することができるスキタイ系の鉄器武装種族だったと推定することも可能となる。

「匈奴」について,「漢語を解さない蛮族」と評価するのは中華思想の影響による。文化現象というものを徹底して相対的にとらえるアプローチからすると,従来考えられてきたような日本の古代史における推定(仮説)の大半が実は幻想に過ぎないという当たり前の結論に到達する以外にない。従来の古代史の通説とは,そのような幻想の砂漠の上に立つ陽炎の楼閣のようなものだと考えている。

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