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2016年6月21日 (火曜日)

岩本篤志「カラ・テペ新出文字資料と周辺遺跡-テルメズ・アンゴル地域を中心に-」

下記の論文を読んだ。

 岩本篤志
 カラ・テペ新出文字資料と周辺遺跡-テルメズ・アンゴル地域を中心に- 
 立正史学119号1~18頁

文字史料に関する論述は非常に興味深いもので,当時,この地域にはどのような人々が支配階級として存在していたのかを推理するために有用な情報が含まれている。

文字資料が発掘されても,その文字に示された言語を解する人々だけで地域社会が構成されていたという証明にはならないが,少なくとも,支配階級で優勢だった人々の文化を理解するためには重要な史料だということは否定されない。

ただ,仮に軍事力を有し政治的支配権を握っている種族が文字を解することがなく,文字を解する種族を臣下として召し抱えていたというような状況が想定される場合(ケルト的な社会を想像してみると良い。),なかなか面白い問題が伏在しており,日本の古代史を考える上でも示唆の多いものとなっているように思う。

周辺遺跡に関する論述では,これまであまり詳しく書かれていなかった遺跡についても触れられており,とても勉強になった。

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