人工知能により生成された映像作品には創作性があるか?
下記の記事が出ている。
“Cut!” - the AI director
BBC: 23 June, 2016
http://www.bbc.com/news/technology-36608933
思うに,人工知能により自動生成された結果よりもレベルの低い(人間が作成した)作品が山ほどある。
人工知能に「創造性」を認めるべきかどうかはひとまずおいた上で,人工知能によっても生成可能なレベルの(人間が作成した)作品については,創作性のないものとして著作権法上の保護を与えない(=パブリックドメインとして扱う。)といったような政策論はあり得るのではないかと思う。
そういう観点から考えてみると,例えば,ビジネス書のようなタイプの実用出版物の中には,単にネット上の文書を収集して整理しただけのもので著者独自の知見が全く含まれていないようなものが散見されるので,そのようなものは創作性のないものとして著作権法上の保護を与えないといった政策論に波及することとなり得る。
要するに,人工知能は,知的産物とはとても言えないようなものにまで法的独占権を与える必要性の有無について再考するための機会を与えていると考えることは可能ではないかと思う。
[追記:2016年6月28日]
関連記事を追加する。
Google’s computers are creating songs. Making music may never be the same.
Washington Post: June 6, 2016
https://www.washingtonpost.com/news/innovations/wp/2016/06/06/googles-computers-are-creating-songs-making-music-may-never-be-the-same/
Google AI just wrote its first song
Chart Attack: June 2, 2016
http://www.chartattack.com/news/2016/06/02/google-ai-just-wrote-first-song/
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