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2016年6月30日 (木曜日)

国家賠償法制定前の時点においては,国は一切の賠償責任を負わないものなのか?

一般法である不法行為(民法709条)の適用を阻止する法理は存在しない(国賠法4条参照)。

国家賠償法1条1項及び2条1項は,限定列挙ではなく,民法709条との関係では,単なる例示に過ぎない。

戦時下における特殊法理は,ポツダム宣言の受諾により一切無効となっている。

国家賠償法は,不法行為法の特則を定めるもので,真に意味のある部分は,所定の厳格な要件を満たさない限り,現実に職務を遂行した公務員個人は責任を負わないという免責的な条項だけだと解するのが素直な解釈だろう。

そして,そのように解さない場合,国等の私経済作用における損害賠償責任の成立を説明することが不可能となる。

要するに,国は国家賠償法に定める場合を除き一切の損害賠償責任を負わないと明定する法規は存在しないし,そのような法理論は成立しない。

しかし,世間では逆のように教える行政法学者が多いというのも現実だ。困ったものだ。

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