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2016年5月 3日 (火曜日)

米国:ロサンゼルスの裁判所が,女性のiPhone利用者に対し,指紋認証を強制する命令

下記の記事が出ている。

 LA judge forces woman to unlock iPhone with fingerprint
 Naked Security: 2 May, 2016
 https://nakedsecurity.sophos.com/2016/05/02/la-judge-forces-woman-to-unlock-iphone-with-fingerprint/

 LA judge decrees suspect must unlock iPhone with fingerprint
 ZDNet: May 3, 2016
 http://www.zdnet.com/article/la-judge-decrees-suspect-must-unlock-iphone-with-fingerprint/

IDやパスワードのような記憶されている符号の自白を強要することはできないが,生態認証の場合には強制執行の方法がある場合が多い。指紋にしろ光彩にしろ声紋にしろ,現在の刑事訴訟法によって強制執行可能だと考えられる。

つまり,生体認証要素の中には(法的な意味では)非常に弱いものがある。

技術者や数学者は法律家ではないし,まして企業家は利益のみを考慮に入れて判断するので,こういう問題に気づくことが滅多にない・・・というか,まずない。

それゆえ,私のように率直に意見を言う法律家は嫌な目で見られることが多い。身に染みてひどい思いをし,さんざん後悔するような出来事でもない限り,私の意見が実に正しいということを理解することはできないのだろう。それまで,ぐっとこらえて待ち続ける。

(余談)

かつて,東北大法学部の刑法教授だった荘子邦雄氏から「待つ。とにかく待つ。」ということを教えられたことがある。

私は東北大出身ではないのだが,なぜか荘子ゼミの卒業生で司法試験合格者が私のことを宴席のようなところに招いてくれたことがあり,そのときに教えられたものだった。

「待つ」ことにした。

じっと待っていても無為に過ごしていたのでは何も起きない。とにかく,環境が熟するまで,他人から馬鹿にされようが見下されようが嫌われようが全くおかまいなしに勉強を重ねてきた。

待った結果,うまくいったことが多々ある。そのようなうまくいった分野では既に誰にも負けることがない。後から追いかけようとする者は,私と同じように40年くらいの期間,ひたすら努力を重ねなければならない。

しかし,まだ待たなければならないことが多数残されている。

世間の人々が後悔の山を築き,私の見解を理解することのできるだけの環境が整うまでじっと待ち続ける。

そして,その間黙々と勉強を続ける。

現時点では誰も理解できないことなので,どこで勉強していても私が何を考えているのか誰にもわからない。私がどんな書籍を購入し,どんなものを読んでいるのかを知っても,なぜそのようにしているのかを理解することができない。

それでよいのだ。

「待つ。」

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