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2016年4月17日 (日曜日)

サンフランシスコの悩み

下記の記事が出ている。

 In Cramped and Costly Bay Area, Cries to Build, Baby, Build
 New York Times: April 16, 2016
 http://www.nytimes.com/2016/04/17/business/economy/san-francisco-housing-tech-boom-sf-barf.html

アメリカ合衆国は若い国家なので,これまであまり経験してこなかったことが次第に起きつつあると考えることができる。

それは,人口の増加と都市部への流入・集中の問題だ。

ユーラシア(特にアジア)では何千年も前から経験してきたことだ。中国,インド,日本国では特に著しい。

人口が集中すると,自然を破壊して住宅地が拡大する。その結果,自然環境による回復力を喪失した都市部の居住環境がどんどん劣化する。おそらく,水の供給源も枯渇する。

都市に住む者の大半は自前の資産をもたない者なので,社会の不安定要因が増加することはあっても減少することはない。

そうやって,古来,アジアの大都市は全滅に近い崩壊を繰り返してきた。

解決策はあるが,民主主義社会では人気を喪失するようなプランしかあり得ないので,誰も採用しようとはしない(独裁主義の国家では採用可能かもしれない。)。

だから,悲惨な結末が来ることを知っていても,誰も止められない。

(余談)

アメリカ合衆国は若い国家だが,南北アメリカ大陸には古くから人間が生活していた。

そして,中米(ユカタン半島)の古代文明が栄え,滅びた。古代文明とは言っても,実はそんなに古いものではなく,紀元前1200年~紀元後1500年頃に勃興しては滅びた諸文明のことを指す。おそらく,最初は,中国の夏~殷(商)の時代頃に船で渡ったアジア人が樹立した青銅器文化・天文学・農耕技術・薬方・人身御供の儀式をもつ国家と文明だったのだろうと思う。その源流としては,最も広い意味でのユーラシアのケルト文明にあると考えられる。

その中米の文明が滅びた原因としては,直接的には他国からの侵略と破壊によるものもあると考えられるけれども,基本的には都市への人口集中による環境破壊が原因となっていると考える研究者が比較的多い。また,暦のずれ(閏年の概念が現在の天文学とは異なる。)から権力者の神的権威が喪失したと推定する研究者もいる。

環境破壊を原因と考える研究者の中では,モノカルチャーによる土地の搾取と土壌の貧困化や塩害が非常に大きな要因となっていると指摘する見解が多い。

これらの指摘は,現代の諸国家にもそのまま通ずるものだ。

人類の文明の発祥地であるメソポタミアにおいても,河川から水路をひいて灌漑を行い,農耕に成功したことがまさに塩害をもたらし,滅亡の原因をつくったと推定する研究者が多い。

商業的大規模集約農業は,古代の失敗の繰り返しそのものだと言い得るだろう。

なお,現代においては,古代におけるような塩害だけではなく,肥料や農薬に含まれている様々な化学物質の蓄積・累積による悪影響を重視しなければならないし,また,人工的につくられた作物(遺伝子組換え生物)等による悪影響についても真面目に考えなければならない。

いずれにしても,人類は,自然を支配することはできないし,無理に支配しようとすれば必ず滅亡する。

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