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2016年3月29日 (火曜日)

伊藤義教『ゾロアスター教論集』

『万葉集』の中には,「和歌ではない」との注釈のついているものがある。いまだに正確な読みのわからない歌もある。

通説によれば和歌だと理解されているものでも,かなり疑問があり,そもそも和歌ではないものを無理に和歌として倭訓をあてているものがあるのではないかと考え,特に疑問をもったものから順番に調べ考えている。幾つかの歌は,和歌ではなく漢文で書かれたメモのようなもの(散文・日誌の類)の断片に過ぎないのではないかと推定されるものを既に幾つか見つけている。また,倭語でも漢語でもなく,印欧語で解したほうが妥当そうなものも幾つかある。

印欧語といってもかなり多種多様なので,とりあえず梵語と巴里語で解釈してみているのだが,結構むずかしい・・・

そんなことをやっている間に,ペルシア語で解釈可能なものがあるとの説を示す論文があることを知った。その論文が下記の書籍に収録されているというので,早速,読んでみた。

 伊藤義教
 ゾロアスター教論集
 平河出版社(2001/10/15)
 ISBN-13: 978-4892033155

結論として,絶賛したい。

夢中になってその論文を読み,目下,本書に収録されている他の論考を読破中だ。

すばらしい研究成果だと思う。

(余談)

古代の日本国における渡来人ないし帰化人のとらえ方について,まま,差別的な発想をする人と出くわすことがある。渡来人ないし帰化人を奴婢的または従業者的に理解しているのだ。

無論,そういう人もいただろうと思う。

しかし,そうでない場合も多々あったのではないだろうか?

少なくとも,『日本書紀』の随所に描かれている渡来人の中には「かなり優秀な能吏」と評価するしかないような人材が多数含まれている。

ものごとは公平に考えなければならない。

本書に示されている冷静な論証を読んでみて,自分の不十分さを大いに認識することができた。

そして,ますますもって,「自分は先入観なく公平に考察しているかどうか」ということについて,日々反省すべき必要性を強く感じた。

(余談2)

古代の鷹昌國の支配者は「麹」氏とされる。

日本国において「菊」が尊重される由来は,ここらへんにあるのではないかと思う。

(余談3)

「難波津の歌」をペルシア語的に解釈してみると・・・

ちなみに「難波」は固有名詞で古代の王国の名前だと思う。

古代の職人(宮大工や瓦職人)の頭領がその国の出身者(渡来人)だったのだろう。

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