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2016年3月13日 (日曜日)

清水浩子「宿曜星と二十八宿について」

下記の論文を読んだ。

 清水浩子
 宿曜星と二十八宿について
 佐藤良純教授古稀記念論文集『インド文化と仏教思想の基調と展開』(山喜房佛書林,2003)85~105頁所収

非常に優れた論文だと思う。

丹念な調査と検討を経て丁寧に整理されている。とてもわかりやすい。

検討結果の細部については見解の相違により異論もあるかもしれないが,全体像としては納得できる部分がとても多い。

勉強になった。

関連する論文として下記の論文も読んだ。

 Kelley, David Bvron
 中国の二十八宿 (第三部古代中米暦の関係の可能性) 
 浜松医科大学紀要(一般教育)9号23~60頁

暦の問題は難しい。なぜなら同じ天体の観測結果に基づいているので,古代のどの地域においても理論的には同じような暦ができるはずだからだ。しかし,暦は文化的な所産なのであって,観測データそれ自体ではない。将来の天体の運行に関しては,ある種の方程式のようなものに基づく予測を示していることになる。だから,暦は観測結果としてのデータの列挙ではなく思考結果の一種なのだ。そして,思考結果である以上,それを表現するための文字・符号・図形の問題を含め,諸要素の近似性が高ければ,文化・文明の伝播ということを考えてみる必要がある。

私がずっと興味をもち考え続けてきたことの一つに,中南米の文明とユーラシアの文明との近似性がある。

いくら考えても興味が尽きない。

更に勉強を重ねようと思う。

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