葛原克人『吉備考古論考集』
下記の書籍を読んだ。
葛原克人
吉備考古論考集
吉備人出版(2011/12/14)
ISBN-13: 978-4860693060
古代の吉備の歴史に関する論文と遺稿をまとめた論文集だ。
考古学ベースなので,空想と仮説を積み重ねて想像するようなタイプの書籍とは全く異なる。それゆえ,邪馬台国時代のことはほとんど書かれておらず,主として古墳時代のことが中心となっており,特に国分寺の関連の論考と朝鮮式山城に関する論考は優れていると思う。
私見は,本書に書かれていることと同じではなく,別の見解をもっているのだが,確かにこういう考え方もあり得ると思わせる説得力のあるものばかりで,とても勉強になった。
あくまでも一般論なのだが,自説と異なる見解について徹底的に研究しないと,自己満足に終わってしまうことが多い。とにかく,自分に内在していない自分とは全く異なる視点を1つでも多くもち,多角的に考えることができるようにしなければいけない。しかし,他人の意見に振り回されてばかりでは自分がなくなってしまう。そこらへんのところを合理的にコントロールできるような強い理性が求められる。
私にそのような強い理性のようなものがあるかどうかについては・・・相当怪しいけれども,自分を見失わないように十分に気をつけながら,とにかく様々な見解に耳を傾けるように努力を重ねている。天才ではないので,日々コツコツと努力を積み重ねるしかない。
更に考えてみようと思う。
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