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2016年3月20日 (日曜日)

丹丹烏里克 (ダンダンウイリク) 遺跡

中国の丹丹烏里克 (ダンダンウイリク) 遺跡から発掘された壁画の中には非常に興味深いものが多い。

 貴重書で綴るシルクロード
 砂漠に埋もれた廃墟
 http://dsr.nii.ac.jp/rarebook/03/

菩薩圖と思われるものの中には,法隆寺金堂の釈迦とほぼ同じではないかと思われるものがある。

吉祥天女圖を丁寧に見ていると,「う~~~ん」と唸ってしまう。

明らかにスキタイ系の形状をした紋様が両腕にある。金の装飾品(腕輪の類)をつけていると見ることもできるが,全体が裸身に近いものなので,刺青かもしれない(腰のあたりに金製と推定される装飾品をつけているので,腕輪様のものも金製の腕輪型装飾品と解しておく。)。この紋様は,アルタイのパジルク遺跡の女性ミイラの刺青と似た文化圏に属するものだと思う。

胸のところにつけている三日月型の首飾りは,ケルト~スキタイの特徴をよく示すものだと思う。月神の成立を考える場合,この首飾りに着目した検討をする必要があるのではなかろうか。日本では,武将の胸あての一種として分類されたものが発掘されているが文化史的な背景について再考の余地があると思う。

 福島県郡山市安積町:渕ノ上1号墳出土の冑
 http://ele-middleman.at.webry.info/201409/article_48.html

丹丹烏里克 (ダンダンウイリク) 遺跡の遺物と同じような文化が魏晋南北朝~唐のあたりの時代に日本国にも渡来していることは間違いないと考える。

『日本書紀』等にある天竺からやってきた后の類の伝承は,特にそのような観点から再検討すべきではないだろうか。

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