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2016年2月23日 (火曜日)

西晃央・竹生政資「びわ潮の環流と柿本人麻呂の近江荒都歌」

下記の論文を読んだ。

 西晃央・竹生政資
 びわ潮の環流と柿本人麻呂の近江荒都歌
 佐賀大学文化教育学部研究論文集11巻1号17~34頁
 http://portal.dl.saga-u.ac.jp/bitstream/123456789/47922/1/takefu_200609.pdf

非常に面白い。

琵琶湖の古代水運については様々な書籍や論文があり,それらを総合して考えてみると,なるほどと納得した。

『万葉集』の中には船(舟)や航行を要素とする歌が収録されている。何となく主観的に耽美するのではなく,自然科学の裏付けのある実証的な文学手法を基本とすべきだろう。

その意味では,本論文は一つの手本となるのではないかと思う。

無論,結論の当否については諸説あってよい。そういうことが問題なのではなく,単なる耽美主義的・主観的な感想文(自己満足)に過ぎないようなものを全て絶滅させ,実証的な文学論の構築を目指すべきだというのが私の主張だ。

そのための方法論はいろいろあって良い。自然科学の応用なので,単なる主観とは異なり,第三者による客観的な検証・批判が可能となっていることが非常に優れていると思う。

主観だけの文学論の場合,「合理的な批判」を成立させることは難しく,要するに喧嘩になってしまう危険性が絶大だと思っている。

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