遺伝子治療が進むと戸籍制度が無意味化する
下記の記事が出ている。
US takes first steps toward approving babies with three genetic parents
ars technica: February 4, 2016
http://arstechnica.com/science/2016/02/us-takes-first-steps-toward-approving-babies-with-three-genetic-parents/
ミトコンドリアに対する人為的なDNA操作が行われると,当然の帰結となる。
今後は,遺伝子の近似性によって家系を探索するといった類のことが全て無意味化することになるだろと思う。
家系や民族といったような概念も消滅することになると思われる。
なにしろ,何でもかんでもまぜこぜの遺伝子だらけとなるからだ。
人類は,全体として次第にミュータント化する。おそらく,遺伝子の好みに偏りが出ることになるので人類種の中での遺伝子の多様性が失われ,人類の滅亡時期を大幅に速めることになるだろう。
他方で,遺伝子上の親は全て親であるという法制に移行したとすると,相続に関して多数の混乱が生ずることは必至と思われる。遺伝子上の親が大金持ちだと知ったら,「遺産を分けろ」と殺到する人々が出てくることを避けることができないし,その要求を無視することもできない。
遺伝子科学の発達により,法制度はありとあらゆるところでほころびを生じ始めている。ところが,かなり多数の法学者は不勉強のため問題の所在を認識することさえできないとうのが残念ながら偽らざる現状だ。
(余談)
遺伝子治療が究極状態に進むと,他の個体の遺伝子切片と組み変えたりするのではなく,任意のアミノ酸配列に人為的に書き換えることになるだろう。
その場合,遺伝子の連絡という意味での親は存在しない。
強いて言えば,任意の人工的操作で書き換える内容としての遺伝子配列を考え出した者が「親(神)」になる。
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