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2016年1月 8日 (金曜日)

Stephen L. Young & Francis J. Pierce (eds.), Automation: The Future of Weed Control in Cropping Systems

下記の書籍をざっと読んだ。

 Stephen L. Young & Francis J. Pierce (eds.)
 Automation: The Future of Weed Control in Cropping Systems
 Springer (2013)
 ISBN-13: 978-9400775114

ロボティクスの農業分野への応用に関する概説書だ。

2013年に出版されたものなので,現時点で利用可能な電子技術は更に多様化し高性能化していることを考えると,わずか3年前の書籍でも既に古ぼけ始めているという社会の急激な変化の恐ろしさを感じさせるものではある。

技術仕様に関する記述がややアウトオブデートである点を除き,どのような分野でのロボティクスの応用が考えられてきたかを知るためには非常に便利な書籍だと考える。

技術に関する書籍なので,法学,経済学,経営学,政治学,社会学等に関する記述は基本的に何もない。将来像としても,農民を全て排除してロボットに置き換えるという程度のことしか書いていない。

こういうことが理想の未来だと考えて技術開発をしている人々がいるということを知ることは大事なことだろうと思う。

ちなみに,日本国政府は,「農業後継者がいない」という課題に対する対応として,ロボティクスを含め,普通の農家によらない農業というものを模索している。その関連の予算を得てロボット開発をしている企業は少なくない。

この問題に関しては,私は,実は価値観の問題だろうと思っている。技術の問題ではない。主観的な価値観の問題なので,1円もかけることなく,「達観」によって問題を解決すrことができる。しかし,それでは名目GDPの増加には何も結びつかないので,政府としては,本当のことを熟知していても,一切知らないフリをし続けるしかないといったところなのだろうと思う。

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