興福寺の阿修羅像
阿修羅は3つの頭部をもつように見える。
しかし,人間に見える頭部が正面で,左右はその実体を示すものだと考えると,実は2つの頭部しかなく,それはヤヌス神を示すものではないかとの仮説をたてて考えていた。
先日,たまたま駅前の書店に寄ったら,下記の雑誌があるのを見つけ購入して読んでみた。
仏教新発見(改訂版)週刊日本の名寺をゆく2
興福寺
朝日新聞出版(2016/1/10)
この雑誌の16頁には敦煌莫高窟第158窟西壁の阿修羅像が示され,興福寺の阿修羅像も,本来は,前面にほら貝を持ち,上に掲げた手には日と月とを捧げもつものではないかとの記述があった。要するに,現在の阿修羅像の姿は,破損した阿修羅像を修復した際に,間違った姿に修復されてしまったものだという可能性が高い。
私もそうだろうと思う。
そして,吉田敦彦『小さ子とハイヌウェレ』によれば,ヤヌス神は,もともとはヴェーダの神に由来するもので,太陽(燈明)と月をもつものなのだとのことだ。
非常に興味深い。
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