福田哲之「簡帛『老子』諸本の系譜学的考察」
下記の論部を読んだ。
福田哲之
簡帛『老子』諸本の系譜学的考察
中国研究集刊第60号記念号(称号)53~72頁
とても勉強になった。
『老子』に限らず,古典を読むときには,「これはオリジナルの文か?」との疑問との闘いが常につきまとう。無論,自分の勉強不足のためにそう思ってしまう場合もある。しかし,後の考古学上の発見により,「やはりそうか」と合点が行くこともある。
本論文は,近年発掘がめざましい簡帛文献の解析を通じて,『老子』のオリジナルを推測しようというもので,実にきめ細かい作業を経た上で,全ての系統の写本の祖となる原型のようなものが存在していたということを明らかにしている。相当の時間をかけた考察結果なのではないかと思う。
木帛資料が限定されていることもあり,『老子』の全篇について比較検討がなされているのではないけれども,論旨は非常に説得力があり,納得できる結論だと思った。
『老子』は,日本でも何度も和訳されているし文庫本でも出ている。私は,何種類かの和訳を読んだし原文でも読んだ。本論文で指摘されているところを踏まえ,更に考えてみようと思う。
(追記)
このココログにはバグがあることがわかった。
これまで使ったことのなかった機能を試しにいじってみたら,わかった。
ブログ記事の公開時刻をいったん設定した後に「今すぐに公開」としてアップロードすると,画面上の表示順と公開時刻のタイムスタンプが先に設定した時刻のままとなってしまう。
非常にちくはぐな表示となるので,バグ修正をしてもらいたいと思う。
公開時刻設定をやめて「今すぐ公開」とした場合,自動的に設定をリセットする仕様とするのが正しい。
更に実験をしてみたところ,任意の年月日・時刻に設定し直すことができることがわかった。
これではブログ記事の公開日・時刻のタイムスタンプの信頼性はゼロだ。
この機能は修正を要すると考える。
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