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2016年1月 4日 (月曜日)

岩本篤志『唐代の医薬書と敦煌文献』

昨年,下記の書籍を購入し,昨年中に読んだ。2015年中に読んだ本の中で最も勉強になったものをあげるとすれば,この書籍をあげる。

 岩本篤志
 唐代の医薬書と敦煌文献
 角川学芸出版 (2015/3/25)
 ISBN-13: 978-4046536075

岩本篤志氏の著作の多くはネット上でも読むことができる。実は,最初はネット上のコンテンツを読み,本書にまとめられていることを知ったのだった。

 立正大学教員情報:岩本篤志
 http://kgpro-ac.com/riuhp/KgApp?kyoinId=ymdggmykggy

世代のせいもあるのかもしれないが,画面で書籍を読むのは疲れる。

じっくりと,かつ,正確に,かつ,敏速に読むためには,やはり冊子体に限る。

本書は,中国の古い本草書の成り立ちと形成過程を丹念に研究したもので,細部に至るまで納得度が高い。

素晴らしい業績だと思う。

一般に,とかく,古代の有名な本草書をばらばらに理解する傾向がないではないが,実は,元になど祖本のようなものがあり,それに順次加筆訂正を加えながら形成されてきたものだということを説得力をもって論証している。

本書の考証により,既に失われてしまったと考えられている古代の本草書を再現することも不可能ではない。

私の関心事は,どうして祖本が書かれたのかということに尽きるかもしれない。

ここらへんになると謎としか言いようがないのだが,自分の直観を信じて更に研究を続けている。

とても古い時代のことなので「趣味ですか?」と問われることが多い。

私は,説明するのが面倒なので,特に否定もしないで何となく話題をそらすようにしている。

実は,現代の目の前にある重大な問題と直結する研究をしている。

しかし,誰にも理解されることはない。

それでよいと思っている。

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