奥田喜道編『ネット社会と忘れられる権利-個人データ削除の裁判例とその法理』
下記の書籍を読んだ。
奥田喜道編
ネット社会と忘れられる権利-個人データ削除の裁判例とその法理
現代人文社 (2015/10/10)
ISBN-13: 978-4877986155
事例検討と各国の関連法制の概説を中心とする入門書的な書籍で,比較的分かりやすいと思う。
一般向け概説書という性質上,基本理論の考察はほとんど含まれていないが,これはやむを得ないことだろうと思う。
基本理論の考察に関する限り,現時点で,Simson Garfinkelの『Database Nation - The Death of Privacy in the 21st Century』(O'Reilly, 2000)とAlexander Halavaisの『Search Engine Society』(Polity, 2008)を超える書籍はまだ出ていないのではないかと思う。
なお,比較法の部分でも,概要説明だけとなっており,各国の法令(法案)の原文及び対訳はないので,読者各自が法情報データベースで検索して調べる必要がある。
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