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2016年1月 4日 (月曜日)

林俊雄『ユーラシアの石人』

芝山古墳の埴輪のとんがり帽子のルーツを探して,いろんな本を読んでみている。下記の書籍を読んだ。

 林俊雄
 ユーラシアの石人
 雄山閣 (2005/3/10)
 ISBN-13: 978-4639018803

非常に面白い書籍で,夢中になり,あっという間に読んでしまった。

ユーラシア大陸にある石人についてはよく知らなかった。調べてみると,石人と関連する日本語の書籍はほとんど出版されていないようだ。

本書は,研究内容として立派なことは言うまでもなく,書籍としても貴重なものだと思う。

さて,本書には多数の石人の図版や写真が収録されているけれども,芝山古墳の埴輪の帽子と形状が完全に一致するものはなかった。ただ,幾つか類似すると考えてもよさそうなものがあった。

チュルク(突厥)のものと推定されてきた石人,ドイツの古墳にあった石人,南ロシアの石人などにはとんがり帽子のようなものがそれに該当する。

しかし,なかなか難しい。

本書の本文を読んでみると,そもそも石人がつくられた年代や目的等についてはまだまだ謎の部分ばかりということらしい。ただ,石壁で四角形い囲った場所に石人がたっていたらしいということで,その区画の写真を見る限り,日本の古代の神籬(ひもろぎ)や玉垣(たまがき)と一脈通ずるところがあるように思う(「神籬(ひもろぎ)」の由来については,笹生衛『神と死者の考古学-古代のまつりと信仰』の中で示されている見解が最も合理的ではないかと思う。)。

更に探索が続く。

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