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2016年1月15日 (金曜日)

ドイツ:連邦最高裁判所が,Facebookの「friend finder」は違法との判断

下記の記事が出ている。

 German high court rules Facebook "Friend Finder" is unlawful
 REUTERS: January 14, 2016
 http://www.reuters.com/article/us-facebook-germany-idUSKCN0US27W20160114

 German High Court Strikes Down Facebook's Friend Finder
 Law360: January 14, 2016
 http://www.law360.com/articles/746777/german-high-court-strikes-down-facebook-s-friend-finder

判決文を精読しているわけではないので正確な判決理由はわからない。

一般論としては,利用者の通信履歴やアドレス帳等から電子メールアドレスを自動的に検出・収集して,Facebook利用の主たる目的とは異なる目的のために自動的に応用する行為は,仮に約款上で同意したものとみなされる場合であっても目的外利用として違法となる場合があり得る。個別の事前の明確な同意がある場合には無論適法となるが(←その結果生じたことについては,原則として,同意をした利用者の自己責任となる。ただし,日本国では消費者契約法が適用されるので,事業者が約款等によって完全免責となることはあり得ない。),一般消費者が誤認しやすいような表示しかない場合には,連邦個人データ保護法(日本では個人情報保護法)違反となるだけではなく,関連する他の消費者保護法(日本では景品表示法等)違反となり得るだろう。

要するに,顧客の個人データをどんどん収集して営利目的で転用・応用する行為は,原則として違法行為となるという方向での解釈が次第にかたまりつつあるということは言えるだろうと思う。そのようなビジネスモデルそれ自体が反省時期にあると言い換えることもできるので,政府が個人情報保護法改正の際にもくろんでいたような「個人データの利活用」は時代の空気を読まない愚策ということになる。

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