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2016年1月11日 (月曜日)

前漢(西漢)の第4代皇帝・景帝(劉啟(劉啓))の墳墓で発見された茶とチベットの墳墓で発見された茶のDNAが一致-紀元前にチベット経由のシルクロードが存在か?

下記の記事が出ている。

 That's been brewing for a long time! 2,150-year-old tea leaves found among treasures buried with a Chinese emperor provide the earliest evidence of Silk Road trade route
 Daily Mail: 11 January, 2016
 http://www.dailymail.co.uk/sciencetech/article-3393715/That-s-brewing-long-time-2-150-year-old-tea-leaves-treasures-buried-Chinese-emperor-provide-earliest-evidence-Silk-Road-trade-route.html

この記事が依拠している論文は下記のところにある。

 Earliest tea as evidence for one branch of the Silk Road across the Tibetan Plateau
 Scientific Reports 6, Article number: 18955 (2016) doi:10.1038/srep18955
 26 June 2015
 http://www.nature.com/articles/srep18955

(余談)

古い本草書を読むと,(本草学の通説とは異なるかもしれないが)チベット原産の植物のことを指すのではないかと推定されるものがみつかることがある。問題は,チベットの植物が漢の都に存在し得るか・・・ということにある。

もしチベットと漢との間で交易または献上による物品の流通が相当あったと推定可能であれば,古い本草書にチベット原産の植物が含まれていても特段不思議ではないということになるだろう。

既に幾つかの例については趣味の会の雑誌で私見を明らかにしてきたが,今後更に検討を深めようと思う。

また、茶の流通があったと推定できる以上は,他の文物・文化の伝播も当然あったと推定すべきだろうと思う。チベットは更にイラン,バクトリアあるいはインドへも続いている。

以上のことは,比較神話学の弱点とされる「誰が,どのようなルートで伝えたか」という課題に対する答えを出せないという難点を補うものとなる可能性もある。

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