S.オオノ(山岸秀夫・梁永弘訳)『遺伝子重複による進化』
古い書籍なのだが,基本的文献の1つなので,オンデマンド版を購入して読んだ。
S.オオノ(山岸秀夫・梁永弘訳)
遺伝子重複による進化
岩波書店 (1977/11/22)
ISBN-13: 978-4000050388
非常にわかりやすく論述されており,私のような素人でも短時間で完全に理解することができた。現時点においても入門書として最適ではないかと思う。
この分野では新しい論文がどんどん出ており,毎日のようにそれらを斜め読みしながら考察を重ねている。
技術論としても,古典的な「遺伝的アルゴリズム」の考え方の致命的な欠陥を理解することができる。要するに,「遺伝」の本当の本質を全く知らないでこの理論が構築されているので空理空論に近い。
他方で,生物がいかにインチキをしながら生きている物体であるかを理解することができる。「インチキ」は生物の本質ということになるのだろう。もしそうだとすれば,かなり多くの種類の犯罪行為は避けることができないものという意味で現在の刑法理論(意思責任論)では対処することのできない現象だと認識しなければならないことになる。ただし,刑法学者は一切認めないだろうと思う。ちょっとでも認めてしまうと自己の存在根拠を自ら否定してしまうことになるからだ。
私自身は,刑法学者ではなく,いかなる刑法学説の支配・影響も受けないで真理を探究することのできる立場にある。本当によかったと思う(笑)。
ともあれ,来年公表する予定で準備を進めているある論説の大まかな構想をほぼ固めることができた。更に勉強を重ねて細部を仕上げようと思う。
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