周祖亮・方懿林『簡帛医薬文献校釋』
しばらく前に入手した書籍なのだが,ときどき書棚から引っ張り出して読んでいる。
周祖亮・方懿林
簡帛医薬文献校釋
学苑出版社(2014/5)
ISBN: 9787507744996
読み度に新しい発見があって非常に面白い。しばらくは,このような状態が続きそうだ。
ところで,古代の簡帛の中には薬草として用いられていた植物の名が示されていることがある。
いろんな本を読んでいるのだが,例えば,漢代の木簡に書かれている名の意味について,清代の『康煕字典』だけを頼りに同定することがバカげたことだということは誰でも理解できる。
無論,『康煕字典』は非常に優れた辞書だと思う。しかし,『康煕字典』の構成と本質からして,『康煕字典』において引用するかたちで示されている文献の原典に順にあたって,もうこれ以上調べようがないというところまで調べ尽くした上でないと,文字の解釈という範囲内においてさえ同定ができていないことになる。
まして,文字と実体とが異なっている場合には全く同定ができていない。
こう書くと誰でも「そのとおりだ」と言うだろうと思うのだが,現実には,そういう妙な同定をしている「専門書」がかなり多数ある。
気を付けなければならない。
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