改正個人情報保護法に規定する匿名化された個人データは中国では保護されない
中国ではテロ対策として新しい法律が制定された。
China's new anti-terror law: No backdoors, but decryption on demand
ars technica: December 29, 2015
http://arstechnica.com/tech-policy/2015/12/chinas-new-anti-terror-law-copies-uk-no-backdoors-but-decryption-on-demand/
China wants encryption cracked on demand because ... er, terrorism
Register: 28 December, 2015
http://www.theregister.co.uk/2015/12/28/chinese_government_now_wants_your_
encryption_keys_because_terrorism/
この法律では,暗号化された通信を禁止している。つまり,政府が常に完全に通信内容を把握することができるような仕組みとなっている。
それゆえ,暗号化等により匿名化されているからという理由で個人データを流通させることもできない。
EUの個人データ保護指令との適合性にも明らかな齟齬があることになると解されるので,EU個人データ保護指令の適用を前提としている限り英国との貿易もできない。残念ながら,中国と英国は,つい最近妥結したばかりの貿易協定を破棄しなければならないことになるだろう。米国と日本国も同じで,中国との間のほぼ全ての取引を断念しなければならないことになる。
企業の営業秘密その他の企業秘密と関連する通信や日本国政府の外交関連の機密通信も同様と考えられる。
要するに,中国においては,機密通信の自由を含め,通信の自由が保障されない。
なお,直接の関係はないが,下記のような記事も出ている。非常に複雑で面倒くさい状況になってきてしまっている。
EU privacy watchdog calls for new controls on surveillance tech export
Register: 25 December, 2015
http://www.theregister.co.uk/2015/12/25/eu_privacy_watchdog_calls_for_new_controls_
on_the_export_of_surveillance_and_interception_technologies/
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