歐陽修の「日本刀歌」
歐陽修(宋)に「日本刀歌」というものがある。
昆夷道遠不復通 世傳切玉誰能窮
寶刀近出日本國 越賈得之滄海東
魚皮裝貼香木鞘 黃白閒雜鍮與銅
百金傳入好事手 佩服可以禳妖凶
傳聞其國居大島 土壤沃饒風俗好
其先徐福詐秦民 採藥淹留丱童老
百工五種與之居 至今器玩皆精巧
前朝貢獻屢往來 士人往往工詞藻
徐福行時書未焚 逸書百篇今尚存
令嚴不許傳中國 舉世無人識古文
先王大典藏夷貊 蒼波浩蕩無通津
令人感激坐流涕 繡澀短刀何足云
岡田正之『近江奈良朝の漢文詩』(東洋文庫、1929)は,北畠親房の『神皇正統記』にある徐福渡来に関する記述(出典不明)について,この「日本刀歌」に依拠するものではないかとの説を示している。私もそうかもしれないと思う。
「先王大典藏夷貊」を重視すると,「百済國」は「夷貊國」の後裔であり,(『日本書紀』によれば,五経博士によって「百済」から)経典・経書の類が日本国(倭國)に伝来して残ることになったと解することもできそうなのだが,「百済」の意義については慎重に検討すべき部分が多過ぎる。
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