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2015年12月23日 (水曜日)

上條信彦『縄文時代における脱殻・粉砕技術の研究』

下記の書籍を読んだ。

 上條信彦
 縄文時代における脱殻・粉砕技術の研究
 六一書房(2015/10/20)
 ISBN-13: 978-4864450621
 https://www.book61.co.jp/book.php/N55834

労作と言える。

近時,「縄文時代」なるものの見直しが進んでおり,多数の書籍が刊行されるようになった。よいことだと思う。

権威者の権力だけで学説を押し付ける時代は終わりにしなければならない。

地道な実証的研究の積み重ねが尊重されるべきだ。

本書の主たる考察対象は,何のへんてつもない石器の用途に関する徹底した研究なのだが,石器や土器に残された痕跡を研究し尽くし,縄文時代と呼ばれてきた時代の農業や社会の実相を更に鮮明にしている。論述は説得力があり,納得できる部分が多い。

私見によれば,本書で扱われているような古代の文化が相当遅くまで残っていたのではないかと思う。子供の頃に育った岩手県の山村部にはそのような文化の痕跡が残存していたことを私は現実に知っている。

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