同時多発的な大規模自然災害
日本列島は複雑な地殻構造をもっており,常に大規模な地殻変動のリスクを抱えながら存在している。火山活動と地震とは密接な関連がある。このことについては異論が全くない。
ところで,大規模自然災害の発生により,住民が大量に避難をしなければならない状態が発生した場合,その行く先を予め決めておくことが有効とされていることから,自治体間で協定が結ばれている例が少なくない。原発事故に対する備えとしてもそのような協定がなされている。
しかし,例えば,Aという自治体とBという自治体との間で相互に避難先とする協定が結ばれている場合において,A及びBの両方について同時に多発的な大規模自然災害が発生した場合(Aでは巨大地震により原発に問題が発生し,Bでは大規模火山噴火が発生し,A及びBのいずれについても国から避難指示が出たような場合)にはどういうことになるのだろうか?
要するに,大規模自然災害に関するリスク評価の問題となるのだが,現在の基本的な考え方は,かなり局地的な被害しか想定していない。
しかし,これではいけない。
例えば,関東全域,東日本全域,西日本全域といったレベルでの相当大きな範囲で壊滅的な被害を発生させるような大規模災害の発生を想定しなければならない。
このような広域にわたり被害が発生する場合,避難先が基本的に存在しないので,その場で生き残った人々の生存を確保し,被災地で自前で再建することを容易にするような方策を考える以外にはない。
にもかかわらず,そのような発想はほとんどみられない。
何とも呑気な国だと思う。
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